空室の目立つ収益ビルやマンションを
バリューアップで高く売却する!

かつて満室だった貸しビルが、時代の流れとともに収益を大きく減らすことがあります。賃貸マンションにおいても空室が目立ち、空きがなかなか埋まらないといったことがあります。時代の流れに乗り遅れたというのが大きな要因ですが、これを今の時代に通用するよう蘇らせてくれるのが、バリューアップです。この記事では、収益の落ちた貸しビルやマンションをバリューアップで高く売却する方法を解説します。

バリューアップとは何か

バリューアップとは、直訳すれば「価値(Value)を上げる(Up)」となりますが、不動産業界では、老朽化した不動産をリノベーション、リフォーム、コンバージョン、耐震補強などをすることで、価値を底上げすることをいいます。

建築物は経年とともに劣化していきます。一方で建築資材や設備は時代とともに進化していきますから、いつまでも建てた当時のスタイルだと、人々はお洒落で機能性の高い建物に流れていきます。この流れを押しとどめて、一気に利便性の高い建物に変えて魅力のある不動産にするのがバリューアップです。

リフォームとリノベーション

バリューアップにはいくつかの手法があります。たとえばリフォームだと、内装や外壁を新しいものに変えて、見た目の美しさによって価値を生み出します。またリノベーションによって、間取りを流行のスタイルに変更するという方法もあります。

コンバージョン

近年注目されているのが、建物の用途を変えるコンバージョンです。映画館を物販店舗に変えたり、倉庫をオフィスに変えたりすることで、収益物件として蘇らせるのです。コンバージョンは昔からある手法ですが、実際にはあまり実施されていませんでした。特にバブル時代以前は、新規事業を起こすに際には、用途変更の発想はほとんどなく、とにかく新築ありきで計画を進めていったのです。

現に1990年頃までは、大都市であっても「用途変更」の確認申請は年に数件といったところでしたが、近年では急激に「用途変更」の確認申請が増加しています。

バブル以前は、専ら新しいものに価値を見出していたため、古い建物を生かすよりも、あっさり新築に踏み切った方が不動産の価値が上がったのです。しかし、今日において、コンバージョンが増加しているということは、経済停滞期を経て、価値観が変化してきた表れだといえます。

バリューアップの具体的な方法は?

それでは具体的にどのようなバリューアップを行なえば効果的なのかをみていきましょう。

ビジネスホテルをサービス付き高齢者住宅にバリューアップする

町の中にはかつては栄えたであろう小さなビジネスホテルや旅館が売りに出されていることがあります。これらの建物をコンバージョンで生まれ変わらせることができます。

ときおりホテルをマンションにコンバージョンした事例が紹介されますが、ホテルはその性格上、各室の水回りは多くありません。せいぜいユニットバスの配管くらいなものです。このためマンションに用途変更するとなると、キッチン用に新たな配管工事が必要になってきます。

その点サービス付き高齢者住宅であれば、各部屋に台所は必要なく、炊事場や食堂は共同のものを設ければ機能します。したがって、小規模のビジネスホテルであれば、サービス付き高齢者住宅にコンバージョンした方が合理的だといえるのです。

売却の方法としては、当初は自らが運営しながら買主を探す方法と運営開始段階で買主を見つける方法があります。また、シェアハウス、学生寮、社員寮、合宿所などのニーズがあれば、それに合わせることも可能です。

マンションをバリューアップする

マンションのバリューアップはリフォームやリノベーションで行います。

ファミリー向けマンションであれば、キッチンの改修が大きな比重を占めます。古いマンションだと、キッチンは暗い隅に位置するものが多かったのですが、近年は明るいキッチンが主流です。流し台の位置を含めて、大幅な間取り変更に取り組んだ方がいいでしょう。

流し台もビルトインの食器洗浄乾燥機や浄水器は必須です。浴室はバスユニットごとの交換が可能ですから、最新の洗練されたデザインのものに取り換えましょう。

床も古いタイプのマンションであれば、畳敷の部屋が存在します。生活様式も変わり、畳を利用する人は減少していますから、複合フローリング張りに変更しましょう。

個人的なリフォームでは、フローリング調のリノリウム張りにしていることもありますが、どうしてもフェイク感が拭い去れません。また実際に素足の感覚も心地よいものとはいえません。

ここは思い切って、質感の良い複合フローリング張りに変更した方がいいでしょう。また畳の間に押し入れが設けられている場合は、部屋としてスペースを広げるか、クロゼットへの変更かのどちらかを選択します。

古いマンションの特徴として、採光面積が明らかに不足している部屋があります。一般的にマンションの場合、採光のとれる壁面は一面しかありませんから、そちらからの採光を可能な限り有効に活用することが重要です。ふすまや間仕切り壁は取り払い、全面ガラス戸にするか内窓付きの壁にすることで、部屋中の明るさのイメージは劇的に改善します。

やってはいけないバリューアップ

やみくもに不動産物件をバリューアップしても成功するとは限りません。ここでは不動産投資物件で、やってはいけないバリューアップを紹介します。

建物の老朽化が理由ではない

バリューアップの工事費に資金を費やしても、それ以上に売却額が上がれば利益を生み出せます。ところが、いくら建物をきれいにしても、売却額が上がらないケースもあります。

それは、収益の落ちた原因が、建物の老朽化ではなかったケースです。たとえば、利便性が極端に悪い、周辺が工場ばかりだ、悪臭がする、崖が近くにあるなどの理由で不動産が安くなっていたとしたら、いくらバリューアップをしても、収益が上がることはありません。

耐震改修でバリューアップする

耐震改修をすることで、安心をウリにできますが、これはなかなか簡単にはいきません。既存建物を耐震改修するためには、一般的には外壁に沿って斜め材を取り付ける必要があるので、デザイン的に優れたものにすることが難しいからです。

一計としては、建物の各戸のフレームに合わせてバルコニーの1m程度先にフレーム型の耐震補強材を取り付ける方法があります。フレームとバルコニーの間の空間に床を設けてバルコニーをさらに広くすることにより付加価値をつけるのです。

しかし、これに投じる資金は莫大なものになり、とても収益アップで追いつくものではありません。耐震改修は大変重要な工事ではありますが、利益を生む売却をするという目的を達成することはできません。

買取専門の会社に売却する

バリューアップでの効果が見込めないと判断した場合は、買取専門の不動産会社に物件を売却するという方法があります。

実は買取専門の会社は、バリューアップで建物を蘇らせる達人なのです。独自のノウハウにより、コンバージョンやリフォームを実施して、収益の落ちた事業系不動産を新たな価値を生み出す物件として再生させます。

どう手を施しても物件が売れないと感じたら、買取専門の会社に相談をしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

バリューアップは、不動産の付加価値をあげます。アイデア次第で、いろいろな方法が選択できますから、不動産を再生させる手法としては醍醐味があります。

しかし、いろいろ手を尽くしても、なかなか成功への道筋が描けないことがあります。そんな状況に陥ったのであれば、買取専門の会社に相談することをお勧めします。物件の潜在能力を評価し、それに見合った価格で買い取ってくれることでしょう。